未来的な生産方法を試みる。
刻々と変化する社会において、大量生産はすでに社会システムに合わなくなってきています。その理由はいくつかありますが、大きく二つあると考えます。一つは先進国の少子化により新しい需要が生み出せないこと。もう一つは物がすでにそうした社会に飽和的に供給されたことだと思います。
現在の問題はたくさんの物を需要以上に生産し、余れば安くして売るという生産販売サイクルにあり、それらの方式は環境を犠牲にしながら何十年も前から変わらず今も続いています。
そうした疑問にひとつの回答を導くべく、近年世界的にデジタルファブリケーションという考え方が生まれました。3Dプリンターをはじめとする新しい生産技術を用い、既製品にない自分にあった新しいものを自分で作るという考え方です。
私たちは「必要な分だけ生産することで、環境へのインパクトを減らす」ことを目的とし、デザイナーが考えたデジタルファブリケーションで生産できる商品を考えることにしました。このペンはその最初の商品です。
無機質な四角柱をひねることで有機質な造形を生み出しました。中世のヨーロッパなどの鉄柵などに見られる加工をモチーフにしたものです。これは何もないところからもアイデア次第でインスピレーションになることを意味し、知性を形に可視化したらきっとこういう形ではないかと想いながらデザインしました。
Figura Serpentinataとはイタリア語で蛇状姿態(だじょうしたい)という意味です。人体などのモチーフにひねりの動きを加えることでより優美で躍動感を与えるために生み出されたルネサンス期のテクニックの名称です。
販売色
ブラック / グレー
江口海里/
プロダクトプロデュース
デザインディレクション
プロダクトデザイン
デザインエンジニアリング
商品撮影
藤原杏/
グラフィックデザイン
動画撮影
動画編集
杜夢(Du Meng)/
英訳、中訳
音楽制作
https://www.ametherain.com
For Page Gallery
URL:
http://kairi-eguchi.com/project/serpentinata
2020.05